ビジネス

マツダの逆襲開始 トヨタに飲み込まれぬよう独自性の追求へ

LAオートショーで世界初公開されたマツダ3(写真/AFP=時事)

 12月9日まで開催されていた米国ロサンゼルスのオートショーでマツダが世界初公開した新型「マツダ3」。マツダはこのクルマから“新世代商品群”と位置づけているが、どんな狙いが込められているのか。佃モビリティ総研代表の佃義夫氏がレポートする。

 * * *
 米・ロザンゼルスオートショーでマツダが世に問うことになる内燃機関の究極の進化系とする「スカイアクティブ-X」を搭載した「マツダ3(現行モデルは日本名アクセラ)」。

 マツダは、電動化というクルマの大きなうねりの中で、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンをさらに進化させていくことを追求し「スカイアクティブ-X」はガソリンエンジンの希薄混合気を圧縮点火させる技術を世界で初めて実用化させた。

 新型マツダ3は、“夢のエンジン”とも言われるこのスカイアクティブ-Xを搭載したマツダの新世代商品群投入の第1弾となり、「2019年から北米を皮切りに世界市場に投入していく」(丸本明社長)ことになる。

 マツダの逆襲──。来年、2019年からのマツダの新世代商品群の投入の動きはこの言葉に象徴されよう。今年6月に就任した丸本社長兼CEOの丸本体制の下で、マツダならではの「人間中心」の開発哲学に基づく、クルマと人の一体感による「マツダの走る歓び」を強調する新世代商品群の展開を計画している。

 マツダは、かつて米フォード・モータースとの資本提携でフォードの傘下が長く続いたが、2015年にフォードとの資本関係を解消し、2017年にトヨタと業務資本提携を発表している。だが、広島に本拠を置くマツダは、トヨタグループの仲間入りをして電動化やコネクティビティの技術戦略を連動する一方で、マツダの独自性を維持した商品開発にこだわり続けている。

 マツダと言えば、「ロータリーエンジン(RE)」で有名だが、今後の電気自動車(EV)開発においても「マツダらしいEVを」と、小型・軽量なREを活用した電動化技術でロータリーエンジンレンジエクステンダー(エンジンで発電する)による航続距離の課題を解決する実用化の方向も進めている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト