国際情報

中国で倒産500万件、失業1000万人 米中貿易戦争影響か

米中貿易戦争が出稼ぎにも影響か

 中国農業農村部(日本の農林水産省に相当)は12月初旬までに、「約740万人の農民工が都市部から地元に戻った」と発表した。農民工とは、農村から都市部に出稼ぎに出る人々のことだ。同部は「起業のため」と理由を説明しているが、事実上の失業が原因だとみられる。

 中国の農民工は昨年末現在、前年比1.7%増の2億8652万人。中国の景気冷え込みが深刻化していることがうかがえるが、中国では2018年、これ以外にもすでに200万人が失業していることが分かっており、計約1000万人が失業の憂き目を見たことになる。

 香港紙「経済日報」は失業者の急増について「第1の原因は米中貿易戦争の影響だ」と指摘。外資企業や中国企業が次々と、生産拠点を中国から他国に移転しており、中国内の求人数は激減しているという。第2に、中国当局が最近掲げた「国進民退(国有経済の増強と民有経済の縮小)」政策も、失業者の急増に大きく関係しているというのだ。

 これを裏付けるように、中国では2018年に入って雇用低迷に関する報道が増えている。経済専門華字サイト「財新網」(11月28日付)は「国内雇用低迷のため202万件の求人広告が消えた」と報じている。

 ポータルサイト「網易」(10月22日付)も「今年上半期で、中国内の504万社が倒産、失業者数が200万人超となった」と伝えている。

 しかし、両サイトの記事は当局にとって都合が悪かったのか、掲載の数時間後にはサイトから消えてしまった。中国当局が失業者の急増によって社会的不安が急速に広がると危惧して、情報統制を強めたとみられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン