国内

2019年は「年金カット元年」 打ち勝つための「妻の必勝法」

「年金カット元年」に打ち勝つ必勝法とは?(写真/アフロ)

 少子高齢化が進行する日本の年金制度は本当に大丈夫なのか? 国は5年に1度、年金のシステムが今後も安心して継続できるのか総チェックする「財政検証」を行う。さらに、制度の問題点をあぶり出し、制度改正も行う。2019年はまさに、そんな年金改革の重要な1年になる。

「年金博士」こと、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さんが解説する。

「現在は原則65才から年金の受給がスタートします。しかし、少子高齢化で年金の財政はカツカツ。現役世代から集める保険料を値上げし、高齢世代の受給額をカットする方法も、もう限界です。今年の国会では、『68才受給開始』か、もしくは『70才受給開始』が提案されるでしょう」

 小泉政権の2004年、「100年安心」を謳った年金改悪が断行された。しかし、舌の根の乾かない15年後、アッサリ破綻したというわけだ。さらに2019年度は、「マクロ経済スライド」という“年金自動カット爆弾”がいよいよ発動される。

 今までは「景気が悪かったら年金額は減らさない」という原則があったのだが、安倍政権は「景気が悪くても、年金額は減らす」と方針転換。現在、年金を受給している高齢者の生活を直撃する改悪だ。

「これから毎年、1~2%ずつ減らされていきます。“なんだ、その程度か”と安心してはいけません。積もり積もって、25年後には2割以上も減る計算です。現在の標準世帯の受給額が月額22万1000円なので、物価が変わらなければ、月額17万6800円まで減ることになります。全国の高齢者夫婦世帯の平均生活費を約10万円も下回ります。そんな金額で、暮らしていけますか?」(北村さん)

 今年は「年金カット元年」として、歴史に残る年になるだろう。とはいえ、老後の大切な「命綱」である年金。何とか防衛する方法はないのだろうか。

「年金を増やす最大のポイントは『妻』です。会社員が加入する『厚生年金』は、保険料の半分を会社が負担してくれるので、全額が自己負担になる『国民年金』よりもお得な制度といえます。

 しかし現状では、男性に比べて女性の厚生年金への加入期間が圧倒的に短い。男性は定年までずっとサラリーマンのパターンが多いので、約半数が35年以上加入していますが、女性は半数が10年未満です。逆にいえば、女性の方が厚生年金額を増やすチャンスが大きいということです」(北村さん)

 厚生年金は2016年10月から加入条件が大幅に緩和され、「パート主婦」でも加入しやすくなった。時給1000円のパート主婦なら、1日4時間半で週5日間働けば、条件をクリアできる。

 働けば働くほど年金額はアップして、それが死ぬまで続く。たとえば、月10万円のパートを1年間続ければ、年金は月額約550円アップする。10年なら約5500円も増やせる計算だ。

「厚生年金は70才まで加入できるので、60才以上の人でも働くことで年金を増やせます。シニア層も目標を持って働くことで、社会との接点を持ち続けると同時に、収入は家計の足しになります」(北村さん)

 黙って減らされるのを待つほど、国民は愚かではない。

※女性セブン2019年1月17・24日号

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン