国際情報

中国の有名観光地にある漢方薬店 驚愕の押し売り手口とは

トンデモ事件簿には事欠かない中国(アフロ)

 観光スポットで人の温かさに触れるのは何より気持ちのよいものだ。しかし、世の中にはそれを逆手にとる連中も存在する。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 悪知恵が働くというべきか、卑劣というべきか──。とんでもない「押し売り」事件が起きたのは、四川省の自然保護区として知られる有名観光地。海抜4760メートルに位置する海子山景勝地は、チベット族の自治州として知られる壤塘県にある。

 その観光コースに設置された一つの公衆便所が事件の舞台である。犯人グループは、公衆便所の前に簡易な店を構え、ご丁寧にも「トイレに行くには薬局店を通ってください」との看板を掲げていたという。

 事件の詳細は、『成都商報』(2018年11月20日)が伝えた。タイトルは、〈観光地のトイレ前に漢方薬店、6万元(約96万円)の漢方を押し売り〉だ。

 被害者の一人、顔さんは同じ四川省東部にある街、達州市から観光に来ていた。車での移動中の休憩でトイレに立ち寄ろうとして、看板に従い漢方薬店に入った。

 するとそこにいた女が、なぜか親しく顔さんに話しかけてきて、「ここの薬がとても効くから、毎回買いに来ている」といって目の前で一袋薬を買っていった。

 顔さんも、そんなに効くなら、と薬を注文したところ、いきなり6万元を請求されたというのだ。

 そもそも旅行中に6万元をポンと支払わせようという発想が異常だが、店の男は「薬剤を粉末にしてしまったから返品はできない」との一点張り。仕方なく顔さんは6万元を支払い、その後に警察に駆け込んだのだった。

 驚いたのは、一時的とはいえ、顔さんが支払ったということだ。詐欺グループにしてみれば、こういうケースがあるからやめられないということか。

 結局、警察はまもなく詐欺グループを逮捕。捕まえた詐欺師たちから6万元を回収して顔さんに返されたという。観光地でうっかりトイレにもいけないという話だが、急を要する人にはさらに恐怖の話である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
ネット上では苛烈な声を上げる残念な人がうごめいている(写真/イメージマート)
ネットで見かける残念な人たち…「朝ドラにイチャモン」“日本人じゃないと思う”の決めつけ【石原壮一郎さん考察】
NEWSポストセブン
荒川区には東京都交通局が運行している鉄道・バスが多い。都電荒川線もそのひとつ。都電荒川線「荒川遊園地前」そば(2020年写真撮影:小川裕夫)
《自治体による移動支援の狙いは》東京都はシルバーパス4割値下げ、荒川区は実質0円に 神戸市は高校生通学定期券0円
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
「戦争から逃れてアメリカ移住も…」米・ウクライナ人女性(23)無差別刺殺事件、犯人は“7年間で6回逮捕”の連続犯罪者
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン
大ヒット上映を続ける『国宝』の版元は…(主演の吉沢亮/時事通信フォト)
《映画『国宝』大ヒット》原作の版元なのに“製作委員会に入らなかった”朝日新聞社員はモヤモヤ  「どうせヒットしないだろう」とタカをくくって出資を渋った説も
週刊ポスト
米マサチューセッツ州で18歳の妊婦が失踪する事件が発生した(Facebookより)
【犯人はお腹の子の父親】「もし私が死んだらそれは彼のせい」プロムクイーン候補だった18歳妊婦の失踪事件「# findKylee(# カイリーを探せ)」が最悪の結末に《全米に衝撃》
NEWSポストセブン
不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
「不倫の“証拠”には『強い証拠』と『弱い証拠』がある」探偵歴15年のベテランが明かすまず集めるべき「不貞の決定的証拠」
NEWSポストセブン
違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン