酒を断ったことで50代後半の体力を知ったと語る
ドラマタイトルに役名ではなく、役者の名前が入っていることもユニーク。
「ジャッキー・チェンの名前が作品名に刻まれているイメージらしく、題名は後から聞きました。なかなかない経験ですが芸人さんのように“冠をとりたい”という夢も、有名になりたいなんて欲も持ってないし。ただ、おもしろい作品、いい作品を作るためには強烈な意識を持っている。タイトルに名前も入っているし、1本1本、自分でも思いつく限りの知恵を出していこうという意識は自ずと高まりました」
創作意欲を刺激された遠藤が今年挑戦してみたいことは何か。ちなみに昨年は元日に酒断ちを宣言し、それ以降は1滴も飲んでいないという。
「いちばんやってみたいのは自主映画。この『さすらい温泉』みたいにロケ地も飛び飛びに、思いついた時に撮っていくの。でもやるとなるとカメラさんに照明さんに音声さんにと、全員のスケジュールを合わせるのも大変だろうし、モノを作るってカネがかかるよね。ロケバスも必要だし、弁当が1食600円だとして1日3食だったら……」
そう言うと、同席していたドラマのスタッフに「いま現場はスタッフ何人でやっているの?」と問いかけ、「と、なると……」と宙を仰いで計算する。
「弁当だけで毎日そんなに飛んでいくのかぁ。これはお小遣いを貯めないとね! 酒もやめたし、趣味という趣味もないし、自分がいちばん燃えるのはモノを作っている時。何か作品を作っている時にときめく。ここからどうしたらおもしろくなるだろう、どうしたら緊張感が生まれるだろうと場面、場面を生み出していく瞬間に燃える。で、その時に思いつく限りのいい何かが撮れたらそこで満足。発表したいという欲もない。最近思うんだけどね、芝居についても完成作品がどうなるかというドキドキ感はもちろんあるけれど、何に興味があるかって、いちばんは演じている時。作品に携わっている“その時”が喜びの最高潮みたい」