スポーツ
2019.01.23 07:00 週刊ポスト
日本相撲協会と横審は稀勢の里を身勝手・露骨に延命させた

負傷して辛そうな表情の稀勢の里(時事通信フォト)
毎回のように、場所前の稽古を評して、同じ二所ノ関一門で協会ナンバー2の尾車親方(元大関・琴風)が、
「良さそうだね。前回よりずっと戻ってきている」
などとリップサービスするのが恒例化したのはそのためだ。それがまた「実際に本場所が始まると勝てない」こととのギャップを際立たせることになった。それでもなお、稀勢の里に頼った背景には、2017年10月に起きた元・日馬富士による暴行事件もあった。
「後に天覧相撲も辞退せざるを得なくなるほどの不祥事に、協会はブームが終わってしまうと危機感を覚えた。その上、日本人横綱がいなくなるとなれば、人気は地に落ちかねない。どんどん稀勢の里を守る方向へと傾いていった」(同前)
その一方で、本気で稀勢の里を評価しているわけではなかったことも窺える。
「昨年9月場所の初日に、稀勢の里は237日ぶりの勝利を挙げましたが、その翌日、協会広報部から大手メディアで作られる記者クラブ相手に、“稀勢の里が引退した場合、翌日に正式に通達する。引退会見は国技館の大広間になると思う”と説明があったのです」(スポーツ紙デスク)
協会は当時、本誌の取材に対して“幻の引退会見”を否定したが、場所前には広報部長の芝田山親方(元横綱・大乃国)の「広報部としては(稀勢の里の)万が一に傾いている」という発言が報じられた事実もある。
結局、誰も稀勢の里を信じていなかったのだとすれば、あまりに悲しい。
※週刊ポスト2019年2月1日号
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