ライフ

風邪薬の長期大量摂取 悪化すると呼吸停止につながる危険も

大して悪くないのに飲み続けると?

「熱っぽい」「喉に違和感がある」「鼻水が出てきた」……そんなとき、風邪薬を飲むのは一般的だが、大した症状もないのに飲み続ける人もいる。医師で保険薬局の経営者でもある狭間研至氏はこう警鐘を鳴らす。

「市販の風邪薬の一部には飲むと『コデイン』や『エフェドリン』など、代謝されればモルヒネや覚せい剤に似た成分になるものがある。常用しないと落ち着いていられないほど深みにはまる場合すらあります」

 薬を長期かつ大量に摂取すると命にも関わる。『その「1錠」が脳をダメにする』の著者で薬剤師の宇多川久美子氏がいう。

「脳にある咳中枢に影響を及ぼすため、呼吸数が無意識のうちに減少し、『呼吸抑制』という副作用リスクを伴うことが分かっています。悪化すると呼吸停止にもつながります」

 市販薬全体でみれば、風邪薬で習慣性があるものはわずかだが、それでも依存がみられることがある。

「薬が手放せなくなる理由には、“精神的依存”もあります。とくに高齢者は自分の経験で“効く”と感じたことのある薬を信奉することが多いため、“お守り”のような感覚で飲み続けてしまうことがあります」(狭間医師)

 気軽に買えるがゆえに、添付文書やパッケージに書かれた服用方法を守らない人も少なくない。「明日までに治したいから」と2日分の薬を一度に飲んでしまえば“毒”になりかねない。

※週刊ポスト2019年2月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン