国内

中国からの輸入食品の安全性検査率 8%台まで低下

中国食品はどのように日本の食卓にのぼっているのか(共同通信社)

 厚生労働省が発表する「2018年輸入食品等の食品衛生法違反事例」では、中国野菜を食べて健康被害を受けたケースをはじめ、居酒屋の定番おつまみから、自宅の総菜の材料まで、多くの中国食品が日本の基準に引っかかり、違反事例として公表されている。

 安全性に疑問が残る中国食品だが、どのように日本の食卓にのぼり、私たちの口に入っているのだろうか。食品問題評論家の垣田達哉さんが言う。

「中国ではまだ原材料の産地から加工、流通、販売までの履歴を一貫して追跡できる状態にするトレーサビリティーが機能していない。日本は限られた国土に1億数千万人が住んでいる程度なので、何か問題があっても生産地にさかのぼって調査ができる。一方の中国は広大な国土に13億人もいて、法律を作ってもなかなか徹底されないのです」

 それなのに、輸入食品を水際で止めるべき検査率は下がっていると垣田さんが続ける。

「毒餃子事件のあった2008年頃は、輸入食品の12%ほどが検査対象だったが、今は8%台まで低下しています」

 買い物をする際には、しっかりと産地を確認したくなるが、“抜け道”がある。

『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)の著書があるジャーナリストの奥窪優木さんが話す。

「加工食品の場合、重さが50%以下の原材料は原産地の表示義務がないのです。たとえば、シーフードミックスでえび、いか、あさりが各33%ずつ入っていたら、どれも50%には満たないので表示義務はありません。カット野菜や冷凍のミックスベジタブルでも、中国産が表示を免れているケースがあります」

 中国には「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉がある。「決まり事に対しても人民は抜け道を探す」という意味で使われるが、まさにそういったことが行われているというわけだ。

※女性セブン2019年2月7日号

関連キーワード

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン