続けて、ジュリーはファンに感謝の意を表した。
「出来るだけ長く歌い続けたいと思う気持ち、今も変わりません。こういった幸せをかみしめながら、毎日歌うことが仕事であり、楽しみであり、皆さんと会えることが本当に幸せなことだなと思い続けたいと思います」
幸せを感じられる自分でいるために、年齢に抗い続ける。そんな宣言だった。
沢田研二にとって大切なのは、大枚を叩いて会場に足を運んでくれる観客である。初めて観に来る人や長年のファンを満足させるために何が必要か。体型を気にする人も存在するし、それを理由に離れたファンもいるだろう。
だが、歌手・沢田研二の生命線はあくまで声である。かつて、ジュリーはこう語っていた。
〈“この人、自分で自分を諦めてないんだ”。そういうふうに思ってくれると、いいなと。僕は、人にどう思われようとちゃんとやってるよ〉(『winds』 2001年6月号)
世間にいくらバッシングされようとも、気力を持ってあきらめずに戦い続け、全盛期の声量を失っていない。
古稀にして、観客を魅了する稀代のボーカリスト。ギタリストと2人だけで3日連続、日本武道館公演を開催できるのは沢田研二しかいない。