「いいボール」の結果、ゴールに結びついた(時事通信フォト)
まとめると、以下のような結果だ。
サウジ戦:2勝1敗1分
ベトナム戦:2勝0敗1分
イラン戦:1勝0敗0分
3試合合計:5勝1敗2分
なんと勝率8割3分3厘。△判定を×判定に変えても、勝率6割2分5厘。意外にも今大会の松木氏の「いいボールだ!」は本当にいいボールである確率が高い。いずれもゴール前のクロスに反応しており、選手がシュートする前に「いいボール」と言っている。決して結果論で「いいボールだ!」と言っているわけではない。
おそらく視聴者の中には、松木氏の「いいボールだ!」イコール「あまりいいボールではない」という印象を持つ人もいるかもしれない。
たしかに、以前の松木氏はクロスが上がると頻繁に「いいボールだ!」と叫ぶものの、簡単にクリアされるという傾向があった。
今から14年前のドイツW杯予選アジア最終予選を振り返ると、よくわかる。2005年2月9日の日本対北朝鮮戦で松木氏がゴール前のクロスに対して「いいボールだ!」と叫んだ場合、4勝6敗(前半27分、41分、44分小笠原満男、前半27分鈴木隆行、前半32分、44分、後半1分、37分三都主アレサンドロ、後半12分、21分加地亮)で勝率4割。2005年3月25日のイラン戦では0勝3敗1分(前半1分小野伸二、前半35分加地亮、前半43分、後半5分中村俊輔)で勝率0割。
「いいボール」は、たいしていいボールではなかったのである。