「ネットオークションやフリマアプリで簡単に偽ブランド品は手に入ります。運営側が厳しく監視していることもあり、基本的にはすぐに出品が強制停止されますが、そのわずかなタイムラグを狙って偽ブランド品を買う若者がいます。インスタやツイッターにも、偽ブランド品の販売を持ち掛けるアカウントは星の数ほどあり、それらを見て購入する中高生も多いのです」(前出中古ブランド品店店長)

 つまり、不良や暴力団関係者を直接的に介さず偽ブランド品が入手出来てしまうために、偽物を入手することの恐ろしさや後ろめたさを、あまり感じずに済んでいる。こうして以前よりも身近に、そして気軽に購入できるようになっているからこそ、若者の偽物に対する拒否感はどんどん希薄になっているように思われる。

 筆者が気になったのは、可愛ければ、そしてカッコよければ「ニセモノでも構わない」と若者が話していたことだ。事実、グッチやサンローランといった高級ブランドの古いロゴが入った「オールドデザイン」のアイテムが、一昨年から昨年頃にかけて若者に大流行した。各ブランドがコレクションで発表した「本物」も当然あったが、若者が群がる市場に出回っていったのは、アメリカからの古着も含めほとんどが「ブート品」と呼ばれる偽物だったのだ。当時着用していた若者に偽物だと指摘しても、可愛いからいい、気にしない、といった返答が返ってきたのにも驚くしかなかった。

 偽物を買う、ということはそれなりのリスクを背負わねばならないことももっと周知されるべきだろう。偽物だとわかっていて偽物を購入すれば、購入だけでも違法とみなされる可能性もある。偽物を売るような業者に、住所や氏名などの個人情報が渡ってしまえば、別の犯罪行為に用いられる可能性も高い。実際に、偽物販売店に足しげく通い店員と親しくなったがために、違法ドラッグの運び屋のバイトをするようになったという若者もいる。違法の世界に軽い気持ちで足を踏み入れたがために、より重い違法行為に自らが加担してしまうかもしれないのだ。

 一方、偽物の本場と言えば「中国」や「香港」というイメージを持つ人も多いだろう。銀座や新宿、渋谷も上野も池袋にあふれる高級ブランド品で身を固めた外国人も、これら偽物を利用しているのか…。

「偽物は恥ずかしいので買いません。上海や北京のブランド直営店で買っても、従業員が偽物とすり替えることもあるので、ブランド品は日本やヨーロッパのお店で買います。東京や大阪の店のレシートがあれば、中古で売るときにも高くなります」

 こう話すのは、銀座の複合ビル「GINZA SIX」近くでショッピングを楽しんでいた、中国人観光客の男性(40代)。「シュプリーム」と「ルイヴィトン」がコラボしたトップス(市価数十万円)に、アディダスのスニーカー(プレミア価格で十数万)という「いかにも」な出で立ちの彼だったが、偽物は恥ずかしいと言い切った。

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