「以前の中国人は偽物ばかりを持っていましたが、経済が成長して豊かになり、偽物を持つことは恥ずかしいと思う人が増えました。(中国の)田舎の方や東南アジア経由で、中国の都市部や日本、韓国で偽ブランド品が売られていますが、それは、貧しかったり見栄を張る人たちが買うのです」(中国人観光客)
若者に「偽物を買うのは悪い事」といくら諭したところで、血のにじむような努力でブランドを作り上げ、実直に商売している人々の気持ちはわからない。かたや、これまで偽物で外貨を稼いできた国の人々が、その恥を悟り、世界経済を回す原動力にすらなっている現実。偽物でもよい、という感覚を若者に抱かせた事実こそが、我が国の「経済事情」を如実に語っているのではないかと思えてならない。