タトゥーの「七輪」に対してごちゃごちゃ言う人だけではありません。彼女の今回の宣言がニュースになると、ネット上ではそれに対しても、いつもどおりの情けない、恥ずかしい声があちこちで上がりました。
「日本人を陥れようとして、どこかの国が組織的に行なった陰謀に違いない」
「日本人がそんなことを言うわけない。日本人のフリをした誰かだ」
あんまりなので多少マイルドな表現にしてありますが、こうした差別的な意見を得意気に書き込んでいる人がたくさんいます。本気で言っているんでしょうか。外国のメディアがこの現象を取り上げて、「日本は差別がはびこっているとんでもない国です」と報じても、何ら不思議ではありません。言い返すこともできません。
もしかしたら、人間がこうした卑しい了見を発揮してしまうのは、ネット上だけではないかも。地域の名物や名所に興味を持ってくれたよその人に対して、「お前なんかに本当の良さがわかるか」「地名の読み方が違う。そんなヤツに来てほしくない」といった言い方をする人は実際にいます。趣味の世界でもいろんな業界でも、きっとよくあることでしょう。
アリアナ「七輪」騒動は、たくさんのことを考えさせてくれました。誰が彼女に批判をぶつけたかなんて関係ありません。ネット民のふり見て我がふり直せ。どうでもいい批判をしたり、セコイ縄張り意識を発揮したりする誘惑を全力ではねのけましょう。
そんなことをする人がいなくなったら、もしかしたらアリアナ・グランデも、ふたたび日本を好きになってくれるかもしれません。けっして、なくはない話です。たぶん、ありよりのアリアナ(親しみと敬意を込めて名前でダジャレを作らせていただきました)。