◆「結婚」を迫ると返ってきた、思いがけない返事

 付き合い始めると、美和さんは、二人の共通する部分と、しない部分のバランスが、ちょうどいいことに気付いたという。

「彼は忙しいので、次に会う日を決めると、その日までほんど連絡が来ないんです(笑)。最初は淋しいな、冷たいなと思ってケンカになることもありましたが、約束は守ってくれるし、会うと優しい。マメでないだけで、私に対する愛情が薄いわけではないことを、次第に理解するようになりました。私はマイペースで、一人の時間も大事にしたいタイプです。若い時は、付き合う人とは毎日連絡を取り合いたいと思っていましたが、もうそういう歳でないし……、彼との付き合い方に納得すると、むしろ、心地よくなってきたんです」

 美和さんは当時、派遣社員として、ある財団で事務の仕事をしていた。やるべきことをコツコツ積み上げていく、慎重で真面目な性格だと自己分析する。だからこれまでは付き合う人は、公務員など堅い職業の、保守的な人が多かった。自分に似たそういうタイプが自分には合っている、と思い込んでいたのだが、30代も後半になって、間違いだったかもしれないと気づいた。

「だって、結婚できていませんでしたから(笑)。私は怖がりだし、安定志向なので、安定している男性がいいと思っていたんだけど……。そうではないタイプの彼(浩太さん)と付き合って、あれ? って。歳をとって、色んなハードルが下がったのかもしれないですね」

 とはいえ美和さんには結婚願望があった。「一人で働いて生きていくイメージは全く持てなかった」という。さらに、子供も産みたいと思っていた。40歳が目の前に迫ってくると、いよいよ焦りが募っていった。

 付き合いは変わらず順調だった。1、2週間に一度は浩太さんの家に行き、レシピ本を見ながら料理をする。普段はしない料理だから、楽しかった。しかし、3歳下の浩太さんから、結婚の話が出ることはなかった。「本来、自分から告白とか、ましてや結婚して、なんて言える性格ではない」と思っていた美和さんだが、40歳の誕生日を迎えると、いてもたってもいられなくなって、結婚をどう考えているのか聞いてみた。

 すると、思いがけない返事が返ってきた。

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