さて、実際の実験結果はどうだったか。1997年に、イギリスのフィナンシャルタイムズ紙が、読者を相手にこのゲームの実験を行った。その結果によると、勝者の数字は「13」となった。つまり、【3】の他人の心理を読んで2段階上をいく考え方をした人、もしくは、【5】の選択範囲を限定する考え方の1つ上をいく考え方をした人、に近い数字を選んだ人が勝者となった。
この実験で、もっとも多くの人が選んだのは『22』だった。他人の心理を読んで1つ上をいく考え方、もしくは、他人の心理を読んで選択範囲を限定する考え方をとった人たちだ。つぎに多かったのは『1』で、『0』も4番目に多かった。これらは、他人の上をいこうと、何段階も考えを深めていった人たちだ。そして、3番目に多かったのは『33』。ランダムな平均から数字を選ぶ考え方をとった人たちだ。
この結果をみると、他人の心理を読んで2段階上をいく考え方をするぐらいが適度な思考ということになる。それよりも考えが浅かったり、深く考え過ぎたりすると、このゲームの勝者にはなれない。
実際には、参加者のゲームに対する理解度や考え方は、一様ではない。このため、実験を行なうごとに、今回紹介したものとは異なる結果が出るかもしれない。
他人の心理を、どこまで深く読むべきか──。これは、とても奥の深い問題で、なかなか答えは見つからないものと思われるが、いかがだろうか。