ライフ

自宅評価額高い場合の「配偶者贈与」 二次相続で税金10倍も

相続大改正「あなたが確認すべきポイント」早見表

 父親が家を建てた時は周囲に畑もあったが、都市化でいまやマンションが建ち並び、地価も上がった。親の資産に預貯金はそれほどないが、自宅の不動産価値はかなりある──。都市部の相続で多いのがそんな「主な資産は自宅の土地建物」というタイプだ。

 遺言がなければ妻(配偶者)と子供たちで遺産分割を話し合うことになるが、預貯金が少ない場合、法定相続(妻と子で遺産を折半)で分配するには自宅を売って現金化しなければならないケースがある。そうなると妻は住む家を失ってしまう。

 そんな事態を防ぐために7月1日の改正(※民法の相続規定/通称「相続法」の改正)で新たに創設されるのが「配偶者居住権」という権利だ。

 これは自宅の財産価値を「所有権」と配偶者の「居住権」に分割し、所有権は子供が相続、妻は居住権を持つ。そうすれば、残された妻が自宅に生涯住み続けながら、亡夫の残した預貯金の一部で生活できるようになる。

 もうひとつ、配偶者の生活を守るために新設される制度が自宅の「配偶者贈与」の優遇措置である。

 結婚20年以上の夫婦間で自宅を生前贈与(遺贈)した場合、自宅を「相続財産から外す」という制度だ。現行制度では夫が妻に自宅を生前贈与や遺贈した場合、「遺産の先渡し」とされ、相続財産に含められてしまう。結局、自宅分を含めた財産は子供と遺産分割しなければならない。

 それに対し新ルールでは、妻に贈与された自宅は「妻のもの」とされ、それ以外の資産を妻と子供で遺産分割すればよくなる。法務省は「遺産分割における妻の取り分が増えることになります」(新ルールのパンフレットより)と説明している。

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン