男女雇用機会均等法の施行から33年、大学生の就職活動もいよいよ開始するが、日本は男女格差が激しいという調査結果もある。昨年12月18日に「世界経済フォーラム」が発表した「男女格差報告」では、日本は調査対象の149か国中110位で、G20の中では中国(103位)、インド(110位)よりも下の最下位だった。
いまだに日本社会は男性優位の社会とされ、「女性活躍推進」や「すべての女性が輝く社会づくり」といったスローガンを政府が掲げざるを得ない状況にあるが「いえいえ、女性がむしろ向いているかもしれない職場がありますよ」と語る2人の女性を取材した。
その舞台は意外にも新聞社。新聞社は男性記者による“夜討ち朝駆け”などに加え、記者クラブも男性だらけだと思っている人もいるだろう。今回話を聞いた中日新聞東京本社(東京新聞を発行)事業局文化事業部・部次長の森優美子氏(1996年入社)と、大島万貴子氏(2015年入社)が所属する部署の社員数は6:5で女性の方が多い(54.5%)。中日新聞全体の男性社員は2243人で、女性社員数は680人(2018年12月1日現在)であり、女性比率は24.1%だ。
現在2人はもう一人の女性社員と3人のチームを組み、5月19日まで国立西洋美術館で開催されている『ル・コルビュジェ 絵画から建築へ──ピュリスムの時代』展に携わっている。
新聞社の採用といえば、新入社員は必ず支局に配属され、そこで数年間地元密着型の取材をしたうえで別の場所へ行き、その後東京か大阪の本社に戻り専門性を高める、といったルートがよく知られている。だが、森氏は「それは記者志望のケースです。他の新聞社もそうだと思いますが、弊社は『編集職』『ビジネス職』に分かれています」と語る。
中日新聞の場合「編集職」は編集局に配属され、政治、経済、外報、社会、地方支局などの取材部門と、整理と校閲が中心の内勤部門に分かれる。「ビジネス職」は新聞流通を担う販売局、広告主と読者を結ぶ紙面を提案する広告局、新聞社のイメージアップ、地域社会への社会貢献を果たす事業局などの部署に配属されるそうだ。