国内

清涼飲料水中の添加物 化学変化で発がん性物質発生した例も

海外では、添加物の科学反応で発がん性物質が発生した例も

 今や私たちの生活に欠かせない加工食品が昨今、「超加工食品」などと呼ばれ、健康面を問題視する風潮が強まっている。

 きっかけは、昨年2月にフランス・パリ第13大学の研究チームが「NOVA分類」に基づき、「超加工食品の摂取と、がんリスクに関連性がある」と発表した論文だった。「NOVA分類」とは、2009年にブラジル・サンパウロ大学が提唱した、あらゆる食品を4つに区分したグループのこと。ここに登場する「超加工品」とは何か。食品問題評論家の垣田達哉さんはこう語る。

「『超加工食品』を、明確に定義するのは非常に難しい。言うならば糖質・脂質・塩分が多く含まれ、添加物が入っている食品です。添加物といっても、国が安全性を確認して使用を許しているもの。忙しい時に加工食品を利用するのは現代では普通のことです。 ただし、加工食品に偏った食事が続けば、塩分や脂質はもちろん、添加物を過剰に摂取することにつながるので、体に悪影響を及ぼす可能性もあります」

 加工食品や添加物は、現時点で安全とされていても、後になって安全でないと判明することもある。

 2006年にはドイツなど諸外国で、清涼飲料水中の「安息香酸ナトリウム」と酸化防止剤として使われる合成ビタミンの「ビタミンC」が化学変化を起こし、排気ガスに含まれる「ベンゼン」と同じ発がん性物質が発生することが判明した。日本でも炭酸飲料などから検出され、今では世界的にビタミンCと安息香酸ナトリウムを一緒に使用することはない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんも、こう語る。

「当時はまさかこの2つの添加物から、ベンゼンが発生するとは誰も想像しませんでした」(郡司さん)

 知らず知らずのうちに食べている危険な添加物があるかもしれない、取り返しがつかなくなるかもしれないと心配になる人もいるだろう。しかし、現状で健康に問題がないのなら、思いつめる必要はないという。

「正しいバランスの食事をして、睡眠をしっかり取る。そして運動をする。そういった当たり前のことを続けていれば、人間の体は多少の『傷』なら修復していきます。『超加工食品』ばかりを食べ続けていれば、いつ、動物実験と同じような結果になるかはわかりませんが、現時点で健康であれば、食生活を見直せばいいだけ。良質なものを食べて、今より悪い方向へ行かなければいいのですから」(郡司さん)

 スーパーやコンビニなどでは必ず食品表示をチェックしてほしい。

※女性セブン2019年3月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
「全てを話せば当然、有罪となっていたでしょう」不起訴になった大物地面師が55億円詐欺「積水ハウス事件」の裏側を告白 浮かび上がった“本当の黒幕”の存在
週刊ポスト
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
「お笑い米軍基地」が挑んだ新作コント「シュウダン・ジケツ」(撮影/西野嘉憲)
沖縄のコント集団「お笑い米軍基地」が戦後80年で世に問うた新作コント「シュウダン・ジケツ」にかける思い 主宰・まーちゃんが語る「戦争にツッコミを入れないと」
NEWSポストセブン
神谷宗幣氏(写真中央)が率いる参政党は参院選で大躍進した。東京選挙区でも塩入清香氏(右)が当選(2025年8月写真撮影:小川裕夫)
《午前8時の”異変”》躍進した「参政党」、選挙中に激しい応酬のあった支持者と反対派はどこへ?参院選後の初登院の様子をレポート
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト