年齢別の正常値は?

 ただそこで気を付けなければいけないのは、高齢者が血糖値を下げすぎてしまうこと。

「健診の基準は年齢別になっていないため、55歳以上の中高年には基準が厳しすぎる。健診の基準に従って薬物により血糖値を下げ過ぎると低血糖発作を引き起こし、死に至る可能性もあるので注意が必要です」

 また、「大櫛基準」の範囲を超えていた場合でも、「血糖値の下げ方」には留意すべき点があるという。

「肉など高脂質食品を摂取し過ぎると血糖値が上がるというのは間違いです。2005年度国民栄養・健康調査報告によると、日本では加齢に伴い炭水化物摂取量が上がり、男女とも40代から増加傾向にあります。

 中年になり、脂っこい食事を避けて蕎麦や素麺などのさっぱりした食事を好み、ご飯やパンでエネルギーを摂ろうと考えがちだからです。

 同調査報告で空腹時血糖値の高い人の比率を年代別に示したものを見ると、男女とも50代から跳ね上がっている。日本人の血糖値を上げているのは、脂質ではなく、炭水化物の過剰摂取が原因だとわかったのです」

※週刊ポスト2019年3月29日号

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