こうしてホテルと賃貸住宅の中間的なOYO LIFEの新しいビジネスモデル。そもそも、なぜOYOの日本進出がホテルではないのかという点を考えてみると、“民泊”を取り巻く昨今の環境変化が思い当たる。OYOそのものは民泊への進出を否定するが、違法民泊問題再燃、営業日数規制など新たなフェーズにある民泊の囲い込みという狙いも想定できる。
とにかく、これまでになかった新たなサービスがスタートされるだけに、様々な懸念が囁かれているのは事実だ。サブリースゆえの賃貸人たることが前提であることを前述したが、不動産会社が仲介するような一般の不動産賃貸借の現場は、アナログゆえに成り立っている面もある。
筆者も経験があるが、隣人とのちょっとしたトラブルがあった際に、双方に面識のある不動産管理会社の担当者が間に入って解決してくれたことがあった。このようにトラブル回避・解決、近隣との問題解決、未払い賃料の催促などは、管理会社の担当者と賃借人の個別の人間関係で解決されるケースが多い。また、仲介業者に課せられた義務(事故物件の告知など)なども気になる点だ。
ITを駆使した最先端のシステムが可能にしたOYO LIFE。今後のサービスは住居の安心・安全の担保といった点からも注視していきたい。