スポーツ

大関昇進の貴景勝 喜びも「弱化」「隠ぺい化」で感情を抑制

栃ノ心(右)を押し出しで破った貴景勝

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、大相撲春場所で大関昇進を確定させた関脇・貴景勝を分析。

 * * *
 平成最後で最小の大関が誕生する。関脇・貴景勝の大関昇進が、臨時理事会の満場一致で承認されたのだ。貴景勝といえば、元貴乃花親方の廃業に伴い千賀ノ浦部屋へ移籍。その直後、昨年11月の九州場所で13勝を挙げ、初優勝を飾った初々しい姿が記憶に残っている。

 身長175cm、体重169kgという小柄ではあるが安定感のある体格は、民芸品の起き上がり小法師を連想させる。土俵で相手力士に突っ込んでいけば、その身長から、頭がちょうど大きな力士たちの胸に当たる。コロンとした体格は相手力士がまわしを取りづらいといわれ、体格を生かした突き押し相撲で白星を重ねてきた。どんな競技でも、小さな選手が大きな選手を倒すというのは、見ている者を魅了する。

 大関になると宣言して迎えた今年の春場所、千秋楽での大関・栃ノ心との取組みは、大関昇進がかかった大事な一番だった。昇進の目安は直近3場所で33勝とされるが、ここまでの彼の勝ち星は33と微妙。取組み内容によっては昇進が見送られる可能性もある。その重圧と緊張は相当なものではないか、と思いきや、取組み寸前土俵際の貴景勝は落ち着いた表情だ。

 運命の取組みは3秒で終わり。貴景勝が一気に栃ノ心を押し出した。勝った直後に大きく頬を膨らませ息を吐くが、その表情は変わらない。勝ち名乗りの声には何度も頷いていたが、千秋楽パーティでも表情が緩むことはなかった。一方、満面の笑みを浮かべていたのは師匠の千賀ノ浦親方だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン