◆どの企業にも得意と不得意がある

 製造業では新製品を発売する時に、旧製品をうまく処分しておくことが重要だ。旧製品の在庫がゼロになると同時に、新製品の販売が立ち上がるのが理想的であり、これは製造業だけでなく物を販売する業態では常識にして、簡単ではないことだった。

 そしてティム・クックが来る前のアップルは在庫管理が稚拙で、新製品を発売する時に旧製品の数百万ドルに上る大量の処分に悩まされ、財務状況を圧迫していた。しかし、新製品でどれだけ利益を稼いでも、旧製品の在庫処理が足を引っ張る実態は、世間の注目を浴びることはなかった。

 そもそも、イノベーションに情熱を傾けるジョブズは、在庫管理という“下流”の仕事は苦手で、興味さえ示さなかった。共同創業者のウォズニアックもそうだったし、アップルの取締役会も同じだった。

 企業には2種類ある。他社に先駆けてイノベーションを起こす企業と、それを真似て安価な製品で儲ける企業だ。アップルやかつてのソニーは前者であり、マイクロソフトや私が勤めていた松下電器(現パナソニック)など多くの日本企業は後者だろう。

 しかし、どの企業にも得意と不得意があるのが当たり前だ。イノベーションもできて、コストダウンも上手いなどという企業はない。それは野球に例えれば、160キロの剛速球を投げて、かつ、針の穴を通す制球力もある投手がいないのと同じだ。

関連記事

トピックス

羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
シリアスな役あkら、激しいアクションまで幅広くこなす北村
北村匠海、朝ドラ『あんぱん』で“やなせたかしさん役”として出演か 主演の今田美桜とは映画『東リベ』で共演し強い絆
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
「礼を尽くさないと」いなば食品の社長は入社辞退者に“謝罪行脚”、担当者が明かした「怪文書リリース」が生まれた背景
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
入社辞退者が続出しているいなば食品(HPより)
いなば食品、入社辞退者が憤る内定後の『一般職採用です』告知「ボロ家」よりも許せなかったこと「待遇わからず」「想定していた働き方と全然違う」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン