美智子さまと結婚して、お子様がお生まれになり、家族が一つ屋根の下に同居されたことは皇室にとって画期的なことであった。皇太子殿下にとっても、両親の愛情を身近に感じられる環境の中で育ったことは、人格形成において大きなことであっただろう。
事実、やんごとなき皇太子という立場にありながら、殿下はいつも気さくで誰とでもすぐに心を開いて語り合える方だという。
「皇太子殿下は家庭での生活の中で、陛下から自然に象徴天皇としての役割や国民のためになすべきことなどの薫陶……いわば現代の帝王学を学び、皇室としての務めや責任の大きさを学んでいかれたのではないかと思いますね」と、織田さんは天皇ご一家との交流を通して感じた、皇太子殿下のお人柄をそう分析する。
家族の愛情の大切さを知り、多忙な公務に励んでこられた陛下の背中から、将来の天皇のあるべき理想を考えてこられた、皇太子殿下。5月1日からは、皇室の歴史上初めて、両親のもとで養育され、家族とともに過ごされた新天皇の御代が幕を開ける。国民とともにある皇室を目指されてきた天皇陛下のご意志を受け継ぎ、どのような時代を築いていかれるのだろうか。