GMが2019年の実用化を目指す、ハンドルやペダルのない自動運転車のイメージ(時事通信フォト/GM提供)
「グーグルは2005年以来、国内地図大手・ゼンリンから地図データの提供を受けてきた。ところが、グーグルがゼンリンから受け取るデータを大幅に減らす契約に変更したことが、日本国内でのマップの不具合の原因になったとみられています。
これまではグーグルマップの著作権表記欄にはゼンリンと記されていましたが、不具合が生じた21日以降、ゼンリンの名前が消えている。グーグルは長年地図データの提供を受けたゼンリンに頼らず、自前の技術と情報でグーグルマップ事業を運営することにしたのではないか」
グーグルとゼンリンは契約変更に関する詳細を明かしていないが、“世界のグーグル”との関係の変化を受けて、ゼンリンの株価は22日にストップ安になった。
実は、グーグルマップの異変が発生する2日前(3月19日)、ゼンリンとの提携を発表した企業があった。
それは米国に拠点を置く地図製作サービス「マップボックス」。ソフトバンクの孫正義会長らが設立した「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資するベンチャー企業だ。
グーグルから離れたのとほぼ同時期に、ソフトバンクの出資企業と提携を発表──ゼンリンの“電撃移籍”はIT業界では重要な出来事として受け止められている。
元ソフトバンク社長室長で、孫氏の側近だった多摩大学客員教授の嶋聡氏が指摘する。