ビジネス

「若者の本離れ」もどこ吹く風 全国で続々登場の個性派書店

東京・六本木にある入場料1500円の「文喫」

東京・六本木にある入場料1500円の「文喫」

「本離れ」と言われて久しい。気がついたら近所の書店がなくなった、老舗の古書店が廃業した──といった話も多い。そんな苦境の書店だが、意外にも若い世代の支持を得て、各地に新しい書店や古書店も続々と生まれている。神戸国際大学経済学部教授の中村智彦氏が、人気を集める“個性派書店”を紹介する。

 * * *
 入場料1500円。そんな書店が六本木にあります。閉店した青山ブックセンターの跡地に、昨年12月に開業したのが「文喫 六本木」。一見、おしゃれな書店なのですが、入るのには1500円を払う必要があります。

 入り口で入場料を払うと、番号とWi-Fiのパスワードが書かれたバッジを渡されます。時間制限はなし。コーヒーと煎茶は飲み放題。しかし、この入場料では……と思って訪ねてみると、席はほぼ満席状態。一人客も多いですが、若いカップルや友人同士の人たちも多くいます。

「文喫」はカレーやナポリタンなどの喫茶店メニューも食べられる

「文喫」はカレーやナポリタンなどの喫茶店メニューも食べられる

 店内にある本はすべて販売物ですが、どれも席で読むことができます。ソファ席でゆっくり読書を楽しむ人もいれば、ノートパソコンなどを使って仕事をしている人や、試験勉強をしている人もおり、最近はやりのシェアオフィスのようにも見えます。朝9時から夜11時までという営業時間も、六本木という土地柄にも合っているようです。入場料金制にしたことで、静かな雰囲気が保たれているといえます。

 店内にある約3万点の書籍はすべて購入可能。この書店を経営するのは、日本出版販売株式会社という書籍や雑誌を扱う出版取次(問屋)です。予約すれば書籍のコンシェルジュが、希望に合った書籍を用意してくれるというサービスもあり、新しい本屋のあり方を様々な角度から取り入れている書店と言えます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に亡くなった小倉智昭さん
小倉智昭さん、新たながんが見つかる度に口にしていた“初期対応”への後悔 「どうして膀胱を全部取るという選択をしなかったのか…」
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
「どうして卒業できないんだろう…」田村瑠奈被告(30)の母親が話した“大きな後悔” 娘の不登校に焦り吐露した瞬間【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン