◆旅の新たな楽しみに
『東京こだわりブックショップ地図』(交通新聞社)の著者でもあり、数多くの書店を取材している屋敷直子氏は、
「実際、書店の経営は非常に厳しく、従来のやり方では当然ながら生き残ることはできません。新刊本はどこで買っても同じ値段です。経営者たちはカフェや雑貨店などの併設やギャラリーなどとしての貸し出しなど、いろいろな本の楽しみ方を提案することで、本に新しい付加価値をつけて差別化しようとする。店主が自分の目利きで本を“選ぶ”こと、つまりもっとオリジナリティを出したい場合は、出版社との直取引も始めています」
と話す。そのうえで、「本が好きな人たちが、自分たちの専門や好みでこだわりのある書店を作り上げている。そうした本屋を巡ることも、人気になっている」と、新しい楽しみ方が広がっていることを指摘しています。
今年秋には、こうした書店ブームのアジアでの火付け役となった台湾の「誠品書店」が、いよいよ日本に進出予定です。日本だけでなく、アジア全体で盛り上がりつつある個性派書店は、ますます楽しみな状況になっています。
ネット通販も便利ですが、散策、観光の目的地の中に、その土地の個性派書店を入れることも、これからは普通になるかもしれません。そして、個性派書店を訪れて、雰囲気を楽しんだら、1冊でも2冊でも応援のつもりで購入することも忘れないでください。