一般的な肺炎と間質性肺炎の違い
間質性肺炎の国内患者数は1万2000人以上といわれ、「50代から増え始め、70代でピークを迎える」(同前)という。52歳でこの世を去った美空ひばりさんも間質性肺炎を患っていた。
「初期症状としては、坂道や階段での息切れ、コホコホといった空咳がありますが、加齢や単なる風邪と見分けがつきにくく、喫煙者なら『タバコのせい』と思いがちです」(同前)
間質性肺炎は、薬の副作用や自己免疫疾患(関節リウマチなど)などに起因するものがあるが、中でも危険なのが原因不明の「特発性間質性肺炎」だ。
「その多数を占める『特発性肺線維症(IPF)』になると、急激に呼吸機能が低下する『急性憎悪』が起こることがあります。その死亡率は40~50%で、間質性肺炎全体の死因の4割を占めます。数日から1か月の間に死亡するケースもある」(同前)
さらに、肺がんとの関連も指摘されている。
「間質性肺炎の経過中に約2割の患者に肺がんが見つかるといわれています。見つかっても急性憎悪のリスクがあるため抗がん剤が使用できないなど、治療が困難になる傾向があります」(同前)
肺ドックを受診してCT検査をしても、通常は肺がんや肺結核の有無を調べるのみで、医者が必ずしも間質性肺炎を疑うとは限らない。