• TOP
  • ライフ
  • あさのあつこ、坂東眞理子『70歳のたしなみ』をどう読んだか

ライフ

2019.04.11 16:00  女性セブン

あさのあつこ、坂東眞理子『70歳のたしなみ』をどう読んだか

◆「枯れる」のではなく「実」をつける準備期間

 私自身に関していえば、いろんなものに真っ正面から向かっていく70代を過ごしたいですね。

 一つは、70代にしか書けない物語を書くこと。90歳過ぎまで生きていた祖母が、とても波瀾万丈な生を生きた人だったので、そんな祖母の一生を書いてみたいんです。ただ、60代の今はまだ無理。老いていく面白さや辛さ、喜びも悲しみもある程度知った上でないと、祖母の人生を書けないと思うから。年を重ねた上で、創作意欲が衰えないうちにしっかりと長い物語を書きたいですね。

 もう一つは、本を通してではなく、自分の目で世界を見て回ること。その国にどんな人がいて、そこでどんなふうに生きているかをちゃんと見てみたい。

 他にも、私がやることで、私の目の前の世界がほんのちょっとでも変わることを、現実の世界の中でやっていきたいですね。

 70代は、「枯れる」というより、未来に向けて根元にたっぷりと知識やエネルギーを溜め込む時期。散ってしまう花ではなく、自分の人生の「実」をつけるための準備期間ですね。だから、仮に73歳で亡くなっても、70歳で何かをしたら、それは立派な実をつけていることだと思うんです。

 そうした思いや考えが坂東先生の『70歳のたしなみ』で裏打ちされて、とても励まされました。

【プロフィール】
あさのあつこ/1954年岡山県生まれ。作家、児童文学作家。現在、岡山で夫とふたり暮らし。ミリオンセラーとなった『バッテリー』をはじめ近著の『ラストラン ランナー4』など10代の青春を描く作品が多い。

※女性セブン2019年4月25日号

 

関連記事

トピックス