「会社員や主婦は月に2万3000円、自営業の人は月に6万8000円までイデコにお金を預ける(拠出)ことができます。その掛け金は、1年分まるまる収入から差し引かれて税額が計算され、所得税と住民税が安くなります。

 たとえば、年間所得127万円のパート主婦が、イデコに月2万円ずつ掛けた場合、1年分の掛け金計24万円が差し引かれて、所得は103万円と計算されます。この金額に対して所得税や住民税が課されますが、103万円までは税金が課されないため、本来かかっていた税金3万6000円がなくなり、『無税』になるのです。

 年収500万円の夫がイデコに加入し、月2万3000円を掛けたとすると、夫の節税額は年間5万5000円。20年間続けると、夫婦2人の節税額は合計182万円にもなります」

 2つ目の「運用益の非課税」について、イデア・ファンド・コンサルティングの吉井崇裕さんが話す。

「投資信託などで運用して得た利益には、通常約20%の税金がかかります。しかし、イデコならこれもかかりません。

 たとえば、前述の夫婦の場合、年3%の利回り(利益率)で運用すると、20年後には元本1032万円に対し、1408万円にもなります。本来、増えたお金376万円に対して約76.5万円が課税されるところ、それがかかりません。節税分の182万円を合わせると、トータルで合計558万円も得します(山中さんによる試算)」

 さらにイデコは、受け取り時にも優遇されている。山中さんが話す。

「60才になってイデコを受け取る場合、大きく2通りの方法があります。【1】一時金として受け取る方法、【2】年金として分割で受け取る方法です。

 一時金で受け取る場合は『退職所得控除』が適用され、積み立て期間が20年なら800万円、30年なら1500万円まで非課税になります。分割して年金として受け取る場合は、『公的年金控除』が受けられます。受け取り時の年齢が65才未満なら、公的年金も含めた収入に応じて非課税になります」

※女性セブン2019年5月2日号

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