鉄道車両の耐用年数は、30年から40年と長い。古い車両が現役で頑張っていても、その間に新しい技術を盛り込んだ新型車両が次々に登場する。そのため、単に「新しい車両」「古い車両」と表現しても明確に識別することはできない。
正確に車両を識別する必要性から、車両番号が振られる。車両番号は各社の基準に則ってあてがわれ、その法則は会社によって異なる。
車両番号を覚えなくても、利用には特に支障はない。車両番号なんてマニアックなことを気に留めるのは鉄道ファンぐらいだろう。
とはいえ、鉄道に詳しくない人でも、東海道新幹線の0系や蒸気機関車のD51といった記号や数字を一度は耳にしたり目にしたりしたことがあるだろう。
ちなみに、JR東日本の在来線は、JR東日本を表すEに数字3桁で表示するのが基本ルール。例えば、山手線の最新車両はE235系、中央線で多く走っている車両はE233系といった具合だ。
新京成の車両番号の法則にのっとれば、新型車両が80000形になるのは自然な成り行きといえる。しかし、新京成電鉄では2006年にN800形が登場した。そうした前例を踏まえれば、SinKeiseiでSK8000形といった工夫した凝らした番号も可能だった。
このまま数字が増えていくならば、次の新車両は800000形、その次は8000000形といった具合にハイパーインフレを起こしかねない。
「今のところ80000形の次となる新車両を導入する予定はありませんが、仮に新型車両を導入することになっても81000形とか82000形という数字になると考えています」(同)
奇しくも、新京成電鉄では昨年の劇場公開に合わせて『ドラゴンボール超 ブロリー』のラッピングトレインを3月22日まで運行していた。それと連動しているかのように、天井知らずの戦闘力と同じく、新京成電鉄の車両番号がインフレ化しそうな気配があるのは興味深い。
車両番号がインフレ化しているのは、新京成電鉄ばかりではない。小田急は、2018年に新型特急ロマンスカーGSEを登場させた。GSEの車両番号は、70000形。
最近の小田急ロマンスカーは1万単位で車両番号を増やしている。このまま順当に新車両が登場していけば、次の新型ロマンスカーは80000形、その次が90000形になる。2030年までに10万番台へと突入することが予想される。
車両番号の数字が増えることは、それだけ鉄道車両が改良の歴史を積み重ねてきた証拠でもある。実際、鉄道車両は着実に進化を遂げてきた。その結果、車両番号が10万番台まで近づいたともいえる。
車両番号は、このまま増え続けるのか? 韓国では10万番も登場しているようだが、さすがにドラゴンボールの戦闘力のように、兆、京、垓……と増え続けることはないだろう。現実的に考えれば、新幹線のE〇系・W〇系・H〇系といったように新たな表記に切り替わると思われる。