ビジネス

新京成電鉄や小田急電鉄 車両番号インフレ化はどこまで進む

新京成電鉄が2019年冬に投入すると発表した80000形(イメージ画像)

新京成電鉄が2019年冬に投入すると発表した80000形(イメージ画像)

 モノの価格が上がり続ける経済用語の「インフレーション」。日本では略して「インフレ」と呼ばれることが多いが、今では経済関係だけでなく、何かの大きさや数値が大きくなり続けることに対して使われることが多い。鉄道車両にも起きている「インフレ」について、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
「週刊少年ジャンプ」で連載されていた人気マンガ『ドラゴンボール』は、テレビアニメでも大人気となり世界11カ国で放送された。昨年12月に公開された映画『ドラゴンボール超 ブロリー』も日本のみならず、海外でも90の国と地域で公開され、世界での興行収入は100億円を超える大ヒットを記録している。ドラゴンボール人気は、世代・国籍を問わない。

『ドラゴンボール』では、各キャラクターの強さを表す指標として戦闘力が用いられている。サイヤ人のラディッツとの戦いのとき、主人公・孫悟空の戦闘力は300前後。フリーザとの戦いでは、300万から始まり、セルとの戦いでは12億。ストーリーが進むほどに、戦闘力のインフレ化が顕著になった。

 近年、鉄道業界でも似たような現象が車両で起きつつある。それを象徴するのが、2019年冬に新京成電鉄が運行を予定している新型車両だ。

 新京成電鉄は千葉県の松戸駅から大仏で有名な鎌ヶ谷市、ふなっしー人気により全国区の知名度を誇る船橋市を経て京成津田沼駅までの約26.5キロメートルの路線を有する鉄道会社。千葉県郊外を結ぶ路線ため、年間の乗車人員は1億333万人とそれほど多くない。通勤・通学の動線としてはメジャーではなく、東京圏に住んでいても利用する機会は決して多くない。

 その新京成電鉄が発表した新型車両の車両番号は、80000形。途方もない数字のため、鉄道ファンでも「いち、じゅう、ひゃく…」と数えてしまうほど多くの0が並んでいる。

「弊社は京成グループに属しているのですが、以前には北総開発鉄道(現・北総鉄道)に乗り入れをしていました。北総開発鉄道には、弊社のほか都営浅草線や京急電鉄も乗り入れをしています。たくさんの会社の車両が走っているので、識別ができるように新京成の車両番号は頭の数字を8に統一しています。そのため、800形、8000形といった順番で車両番号を振り、新型車両は80000形になりました」と説明するのは新京成電鉄総務人事部広報課の担当者だ。

 鉄道車両は時代とともに加減速や速度、低騒音化、省エネ化といったさまざまな部分で性能を向上させてきた。近年では、混雑していても乗り降りがスムーズにできるようにワイドドアにしたり、座って通勤したいという需要に合わせた車両を登場させたりしている。

 新京成電鉄の80000形は、以前の車両よりも省エネ性能を向上。また、車内に防犯カメラが設置されたほか、ベビーカーや車いす、荷物の大きな旅行客用のフリースペース空間も設けられている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン