次に神奈川方面。狙い目のエリアはJR東海道線の「戸塚」駅を最寄りとするエリア。このエリアは30年以上前から新築マンションの供給が多かった。大量供給されたマンションが今は中古となって流通市場に出てきている。

 不動産サイトで東海道線の神奈川エリアで売り出されている物件数を駅別に調べると、「川崎」が366物件、「横浜」353物件、「戸塚」は360物件。「戸塚」では政令指定都市の中心駅とほぼ同じ物件数が登録されているのだ。

 さらに「戸塚」駅最寄りの物件を検索した。戸塚エリアはバス便も多いので、駅徒歩分数は指定せず、築20年以内、60平方メートル以上で検索すると96物件がヒット。坪単価は83万円から171万円。50番目あたりの物件に、「80平方メートル・3LDK、3180万円」というのがあった。その物件は駅徒歩18分、築14年。坪単価は130万円だった。ここから1割程度の値引きがあったとすると、3000万円未満で購入できる可能性がある。

 埼玉方面の狙い目は川口市。このエリアも昭和の終わり頃から町工場が次々のマンションに変わっていったので、中古物件の流通量がかなり多い。不動産サイトの登録物件はさいたま市全体で2016件なのに対して、川口市だけで777件。面積割合にするとさいたま市の1.35倍である。

中古マンション物件が多い埼玉県・川口市周辺(時事通信フォト)

中古マンション物件が多い埼玉県・川口市周辺(時事通信フォト)

「川口市」の中で検索した。条件は60平方メートル以上、築20年以内、所有権、駅徒歩10分以内。「駅徒歩10分以内」としたのは、川口市内にはJR京浜東北線と埼玉高速鉄道が通っており、バス便エリアが少ないのでやや条件を厳しく設定して物件数が確保できると考えたからだ。結果、この条件で158物件がヒット。

 坪単価は92万円から233万円。80番目前後あたりに面白い物件があった。「JR川口駅徒歩4分、76平方メートル・2LDK、築15年」が3600万円。坪単価は156万円。この物件、全301戸で30階建てのタワーマンションである。残念ながら、この住戸は3階だった。

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