◆噛んだガムはきちんと捨てないとマイナス20点

 加点・減点の項目には具体的にはどのようなものがあるのか。そもそも海貝ポイントの評価項目を分類してみると、(1)政府や国からの表彰・奨励(2)公共サービス(3)法令順守(4)社会責任の履行(5)道徳・公益の5分野となり、合計29分類3411項目にのぼる。

 減点項目がそのうち95%を占める3242項目、加点項目はわずか169項目である(別掲・図表4)。減点の項目数が圧倒的に多く、加点の項目数は限定的なため、点数をある程度維持するには、いかに減点されないか、いかに品行方正に生活するかが重要となってくる。

【図表4】加点・減点項目のうち、95%が「減点」を占める

【図表4】加点・減点項目のうち、95%が「減点」を占める

 減点の対象となる内容は、本人が受けた行政処罰の内容や程度、ルール違反の情況によって程度が異なる。中には、以下のように日本では考えられないような内容もある。

・鶏、アヒル、ウサギ、羊、豚などを届出せず飼育し、都市の景観や環境を損ねた場合:▲20点
・犬の散歩時に、犬がした糞をすぐに処理しなかった場合:▲20点
・ところかまわず痰を吐き、タバコの吸殻、ガム、飲物の空き瓶などを捨てた場合:▲20点
・水道代を期限内に納めなかった場合:▲10~30点
・病院での医療費の支払いが遅れた場合:▲10~30点
・届出をしていないデモや集会をした場合:▲50~70点
・大型の宗教行事を届け出なく行った場合:▲20~60点

 一方、加点内容は以下のように、本人の信用如何にかかわらず加点されるものもあり、必ずしも基準が明確というわけではなさそうである。

・オリンピック、世界選手権、アジア大会など国際大会で上位8位以内であった選手とその監督:+60点
・年間の寄付額が10~50万元:+30点
・献血1回:+10点
・ボランティア1時間あたり:+1点など

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