ライフ

ゴミ拾いを競技化「スポGOMI」を体験 ルールとその効果

スポGOMIにチーム・女性セブンで参加!(撮影/菅井淳子)

『女性セブン』で体験取材など幅広く活躍している62才の“オバ記者”こと野原広子が突然、「宝物に見える!」とゴミを集め出した! とうとう“汚屋敷”の主になったか…などと思われそうだけど、この競技に参加したあとだったら、誰だってそんな気持ちになるに違いない。ゴミはゴミにあらず! 勝負のあとには、予想もしない大きな意識改革が待っていた。

 世の中、人と競ってナンボ。そう思っているオバはボランティアに参加したことがない。「誰かのために」なんて、こそばゆくって。な~んて話をしていたら、年齢不詳の編集女子・マッちゃんが、「ゴミ拾いをスポーツにしちゃった人がいるんですよ」と言う。それが日本スポGOMI連盟代表の馬見塚健一さん(51才)だった。

 きっかけは日課のジョギングだという。走りながら足元のゴミを拾っているうちに、これを団体競技にすることを思いついたのだとか。11年前のことだ。

 当時は知り合いに声をかけての単発的なイベントだったが、開催数を重ねるごとに“競技”のルールも洗練され、そのうち縁もゆかりもない地方自治体や学校から「開催して」と依頼がくるようになる。

 イベントの規模や顔ぶれはそのたび違うが、サッカーや野球のチームが主催に加わって参加者が100人以上になると、集まるゴミの量も種類も数十倍に膨らみ、圧巻だそう。

 2016年には海を越え、ロシア、ミャンマー、韓国、米国、パナマから招致されている。馬見塚さんは言う。

「ゴミ事情は土地柄によってまるで違うんですよ。たとえば都会に多いのがビニール傘。
地方はトースターとか、アイロンなどの小型家電が目立ちます」

 海外ではお国柄がゴミに出るという。日本のように不燃・可燃で分別する国はなく、ドライかウエットかで分ける。かと思えば、ゴミを土に埋めてしまう国もあって、引っ張り出すとイモづる式にどんどん出てきたりする。行ってみないと何が起きるかわからない。

「パナマで多いゴミはストローですね。なにせホットコーヒーもストローで飲むので、街の至るところにストローが落ちています」

 スポGOMIのエラいところは、ここから。地域性の高いゴミのポイントを高くして、その国特有のゴミをしっかり集めるようにするんだって。

 落ちているのが当たり前。土地の人は気にもならなかったストローを徹底的に拾い集めてしまうと、あら不思議。清潔になった道には、今までのように“ポイ”とストローを捨てにくくなる。これが“スポGOMI”の狙いなのだ。

「今回、ポイントが高いのはたばこの吸い殻ね。1本だって見逃さないわよ」

 こうして本誌“チーム・女性セブン”は支給された白い軍手をはめ、横浜の街に飛び出していったのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン