──似たような業態のライバルも増え、戦いは厳しさを増すのでは?
似鳥:当社の競争相手はかつてならホームセンター、あるいは総合スーパーといったところでしたが、変わってきている。どの業界も総じて市場が縮んできているので勢い、競争が業界の垣根を越えて激しくなっています。実際、商社がコンビニを傘下に置くようになり、メーカーも小売り分野まで下りてくるようになっている。
ほかにも、食品といえばスーパーかコンビニという状況でしたが、そこにドラッグストアも本格的に進出するようになった。いまや、川上の製造業、川中の卸売業、川下の小売業が渾然一体となって、あるいは新たに異分野に進出して、複合的な戦いになってきました。
【PROFILE】にとり・あきお/1944年樺太(サハリン)生まれ。株式会社ニトリホールディングス会長。北海学園大学経済学部卒業。広告会社へ就職した後、札幌市内に「似鳥家具店」創業。1986年、社名を「ニトリ」に変更。2002年東証一部へ上場。32期連続の増収増益を果たしている。
●聞き手/河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。ジャーナリスト。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年5月17・24日号