ライフ

ギース尾関が娘の絵を完コピした弁当写真集【森永卓郎氏書評】

『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』/尾関高文・著

【書評】『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』/尾関高文・著/永岡書店/1200円+税
【評者】森永卓郎(経済アナリスト)

 本の世界では、ときどき想像を絶する作品に出合うことがある。本書もその一つだ。

 本書は4歳の娘のために、父親が作った弁当のエッセイ付き写真集だ。ただし、その弁当は普通ではない。娘が、「こんなお弁当を作って」と描いたキャラクターを、完全に再現した弁当なのだ。幼児が描く絵だから、当然、滅茶苦茶な絵になる。それをチーズや海苔などを使って、完コピする。その再現性の高さは、驚くばかりだ。

 著者であり、お弁当の作者でもある尾関高文氏は、最近急速に人気を高めているお笑いコンビ、ザ・ギースのボケ担当だ。若手芸人の生活は厳しく、共稼ぎで生活を支える妻の負担を少しでも軽くしようと、娘の弁当作りを始めたのだそうだ。

 著者に絵心があったから、そうした取り組みを始めたと思われるかもしれない。だが、私は逆だと思う。もし絵心があったら、娘の絵の特徴をつかんで、娘の絵とは、異なる作品を作っていたはずだ。似顔絵の名手が、極端なデフォルメをして、まったく本人とは異なる似顔絵を書いてしまうのと同じだ。尾関氏のお弁当は、逆で、一切のデフォルメがない完コピだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン