国内

「平成維新」掲げた大前研一氏が提案する「令和維新」の中身

この国の未来はどうなる?

 マレーシアや台湾の国家アドバイザーも務めた経営コンサルタントの大前研一氏は、かつて「平成維新」の構想を打ち出し、日本を蘇らせる数々の政策を提案した。それから30年余──ついに維新は実現しないまま、平成は幕を閉じた。いよいよ始まる「令和」の時代、日本はどう変わるべきか? 大前氏が「令和維新」のあり方を提言する。

 * * *
 私は平成元年(1989年)に上梓した『平成維新』(講談社)で、21世紀の国家運営は、まず道州制という新しい広域統治機構を導入すべきだと提言した。しかし、道州制の論議は出ては消えを繰り返して迷走し、結局、何も変わっていない。

 かつてこの国には、田中角栄という偉大な政治家がいた。戦後日本は「入るを量りて出ずるを制す」の均衡財政で国債を発行せずにやってきた。ところが田中は、人口ボーナスのある成長期に国家をどう発展させるかと考え、蔵相になった時に「使うほうを先に考えろ」「足りない分は国債を発行して将来から借金すればいいんだ」と号令をかけたという。友人の元大蔵官僚は当時を振り返って「まさに青天の霹靂。空の色があの日変わった」と言っていた。コペルニクス的転回ならぬ“田中角栄的転回”である。

 実際には、田中の次に蔵相になった福田赳夫が、東京オリンピック後の不況で戦後初の国債発行を余儀なくされたが、田中は首相に就任すると持論通りに国債発行額を一気に増やし、日本全国津々浦々のインフラを整備して「国土の均衡ある発展」を推進したのである。それは間違っていなかったと思う。

 しかし、その後の自民党政治は単に田中の延長線上で、彼のやり方を踏襲してきただけである。とっくの昔に成長期は終わって今や人口オーナス(負担)の成熟期になっているのに、いつまでも「国土の均衡ある発展」にこだわり、「ふるさと創生」「地方創生」を唱えて税金の無駄遣いを続けている。

関連記事

トピックス

太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン