各種、油の特徴
◆不足しがちなオメガ3は、意識して摂取する心がけを
では、「いい油」とはどういうことだろうか。
まずは、油に関する基本的な知識を身につけておきたい。食品工学が専門の東京農業大学教授・高橋信之さんが説明する。
「“あぶら”には、『油』『脂』と文字が2つあるように、常温の状態で液体のものと固体のものがあります。大豆油やオリーブオイルなど植物由来の油は常温で液体の『不飽和脂肪酸』を多く含みます。バターやラードなど固体の油脂は動物性であり、『飽和脂肪酸』を多く含みます」
さらに不飽和脂肪酸は、α-リノレン酸などが含まれるオメガ3系脂肪酸と、リノール酸などのオメガ6系脂肪酸、オレイン酸などのオメガ9系脂肪酸に大別される。
そのうち、オメガ3とオメガ6は体内で作れない「必須脂肪酸」に該当する。東邦大学名誉教授で平成横浜病院の循環器内科医、東丸貴信さんが指摘する。
「不飽和脂肪酸のオメガ3はアマニ油、えごま油のほか、DHA、EPAとして青魚に多く含まれており、抗酸化作用や動脈硬化予防、血圧を下げるなどの非常に体にいい作用があります。
同じく必須脂肪酸であるオメガ6はごま油やコーン油などに含まれる物質。細胞組織の維持に必要な成分です。
オメガ9は、オリーブオイルや米油、菜種油などに含まれる。悪玉コレステロール値を下げて心臓疾患や動脈硬化などを抑える働きがあります。オメガ9は体内で生成できるため、必須脂肪酸ではありません。
現代人、特に中年女性は、慢性的にオメガ3が不足がちな傾向にあるので、日頃から積極的に摂取する意識を持ちましょう」
だからといって、オメガ3を摂りすぎると、細胞膜が柔らかくなりすぎて変形しやすくなる。つまり、バランスよく摂取することが重要だ。
※女性セブン2019年5月30日号