ここにチェーン店も参入した。2017年、あの牛タンの「ねぎし」が手がける「ねぎポ」が有楽町から東京駅に向かうJRのガード下再開発飲食店街に入居。ロゼ色の断面と衣の白い「しろかつ」として絶賛売出し中だ。
元気なのは、味わいを追求するロゼ色勢だけではない。ふだん使いできるリーズナブルなとんかつ店も人気だ。両国や御徒町、高田馬場などにはロースカツ定食が700~800円で食べられるとんかつ専門店があるし、チェーンで言うと「かつや」はロースカツ定食を690円で提供。さらに近年、牛丼の「松屋」が展開し始めたとんかつ業態、「松乃家」に至ってはロースカツ定食を530円で提供している。
「ロゼ色」と「格安」だけではない。明治38年創業の御徒町「ぽん多本家」をはじめ、「ポンチ軒」「旬香亭」などの洋食勢のとんかつの人気も高い。
1970年代以降、何度かのブームやトレンドをくぐり抜け、「ロゼ色」「格安」「洋食」などのカテゴライズも細分化され、日常の外食としてのとんかつは完全に定着した。令和はいよいよとんかつが「文化」として昇華される時代なのかもしれない。