与野党乱立 自民現職も落選危機の首都決戦
2位につけると見られるのは公明党代表の山口那津男氏。注目は6年前に獲得した約80万票を守れるか。
「公明党代表の得票数は創価学会の集票力のバロメーターとなる。当選は確実にしても、投票率がほぼ同じで10万票近く減らすようなら衝撃が走ります」(野上氏)
3位を競うのはいずれも現職で共産党の吉良佳子氏(6年前は3位)と「れいわ新選組」を結成し、わずか1か月で1億5000万円以上の寄附を集めた山本太郎氏(同4位)だ。山本氏は比例代表転出も取り沙汰されているが、「反自民票を集めるとすれば立憲民主より山本ではないか。政権を真っ向から攻撃しているし、選挙のやり方もブームを起こした6年前を彷彿させ、周囲に人が集まっている。共産党の吉良との銅メダル争いになる」(角谷氏)という。
立憲民主党は元都議の塩村文夏氏と元朝日新聞記者の山岸一正氏を擁立。自民同様、票の食い合いになりそうだが「元都議の知名度もあり、女性の塩村氏が当選圏内に入るでしょう」(鈴木氏)。
残り1議席を武見氏、国民民主党でJAXA職員の水野素子氏、山岸氏、日本維新の会から出馬表明した元都議の音喜多駿氏が争う展開が予想される。水野氏が票を伸ばせば「女性4人当選」の目もある。
他にも、維新から立つ音喜多氏が当選圏内に滑り込むか、それとも“泡沫”に終わるのかが注目だ。
維新の勢いが東京まで及ぶかがわかるだけではない。音喜多氏は都議時代に都民ファーストの会を離党して以来、小池百合子・東京都知事批判を強めている。その音喜多氏がどのくらいの票を得るかは来年の東京都知事選で小池氏再選の可能性を占う試金石にもなる。
※週刊ポスト2019年6月21日号