芸能

橋本愛 『長閑の庭』で挑む「41歳差の恋」の綱引き

番組公式HPより

 人間関係、こと恋愛においては特に“差異”が問題となりやすい。年の差と愛情の相関関係については各人思うところがあるだろうが、それ故にドラマの題材としては恰好といえるかもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
「恋愛において年齢は一切関係ないものだと思っているので、40歳差であろうが、50歳差だろうが大した差はない」

 会見でズバリそう言い切った橋本愛さん。5年ぶりに連ドラの主役を『長閑(のどか)の庭』(日曜午後10時NHK BS)でつとめています。

 主役・元子は橋本さんの実年齢と同じ23歳。ドイツ文学を研究している大学院生が41歳年上の榊教授(田中泯)に恋しているという異色のドラマ。

 元子はなかなか一筋縄ではいかない人物で、人と接するのが下手。長い手足もどこかぎくしゃく。女子のキャピキャピ感はゼロ。恋愛経験なし、頭でっかち、現実逃避的でちょっと夢見心地。

 全身を黒ファッションで固め、つけられた仇名は「シュヴァちゃん」(シュヴァルツはドイツ語で「黒」の意)。生きづらそうでもある元子が、41歳年上の教授に「恋しています」と語りかける。

 橋本さんといえば、そう。最初に鮮烈な印象を残したのが朝ドラ『あまちゃん』(2013)でした。17歳のアイドル志望ユイを演じ、美少女登場と一躍注目を浴びました。が、なぜかその後はアイドル的路線を走らず。過剰な露出もなく、むしろ作品を慎重に選んで作家性の強い映画に出演してきたという印象が強い。

 ご本人いわく、「映画という場所にこだわっているわけではなくて、脚本が好きならドラマでも舞台でもやりたいと思っています」(「オリコンニュース」2016.10.20)。同時に「私のキラキラした姿なんてそんなに見たくないんじゃないですかね……(笑)」(同)と、ちょっとシニカルな自己分析力も持ち味です。

 23歳という若さの中に、妙な落ち着きと「渋さ」が光る人。そんな橋本さん独特のテイストが、今回のドラマと響きあっていて面白い。元子は世間擦れしていなくて、画面に映る容姿だけでは掴みきれない陰翳や内面の葛藤を感じさせる。まさに橋本さんはハマり役です。

関連記事

トピックス

ツアーを終え、ロンドンに戻った宇多田ヒカル(2024年9月)
【全文公開】宇多田ヒカル、新パートナーはエルメスの店舗デザインも手掛けたグラフィックアーティスト ロンドンでひとときの逢瀬を楽しむ適度な距離感 
女性セブン
かつてバンドメンバーだった桜塚やっくんとTaiga(右)
【目の前で目撃】37歳で急逝・桜塚やっくんの命日に元バンドメンバーが墓参り 事故当日の詳細を初告白「悔やんでも悔やみきれません」
NEWSポストセブン
4月クールに『アンチヒーロー』で主演をつとめた長谷川博己
ドラマ『アンチヒーロー』で衣装に関する“200万円請求書”騒動 長谷川博己のオリジナルコート制作費をめぐってスタイリストと制作サイドが衝突か
女性セブン
佐賀空港を出発される愛子さま(時事通信フォト)
雅子さま「午後だけで4回もの休憩」不安視された22年ぶり佐賀訪問で初めて明かした「愛子さまとの私的な会話」
NEWSポストセブン
《防弾チョッキ着用で出廷》「フルフェイスヒットマン」は「元神戸山口組No.2」中田浩司組長だったのか 初公判で検察が明かした「2秒で6発の銃撃を浴びせた瞬間」
《防弾チョッキ着用で出廷》「フルフェイスヒットマン」は「元神戸山口組No.2」中田浩司若頭だったのか 初公判で検察が明かした「2秒で6発の銃撃を浴びせた瞬間」
NEWSポストセブン
ドキュメンタリー映画『Screams Before Silence』でインタビューに応じるアミット(映画の公式インスタグラムより)
《55日間のハマス人質日記》囚われた女性が語る地獄の日々「生理の時期を毎日確認されて…」【音楽フェス襲撃から1年】
NEWSポストセブン
10月8日、美智子さまは「右大腿骨上部の骨折」の手術を受けられた(撮影/JMPA)
美智子さま「大腿骨の上部骨折」で手術 待ち受ける壮絶リハビリ、骨折前より歩行機能が低下する可能性も
女性セブン
結婚を発表したマイファス・Hiroと山本舞香(Instagramより)
《マイファスHiroと山本舞香ゴールイン》2人が語った結婚の決め手と夫婦像「作ったご飯を笑えるほどたくさん食べてくれる」 結婚記念日は新妻のバースデー
NEWSポストセブン
東北道・佐野サービスエリアの現在とは
《前代未聞のストライキから5年》激変した東北道・佐野SA「取り壊された店舗」名物「佐野らーめん」の現在、当時の元従業員が明かした39日間の舞台裏
NEWSポストセブン
カニエ(左)とビアンカ・センソリ(右)(Getty Images)
「ほぼ丸出し」“過激ファッション”物議のビアンカ・センソリが「東京移住計画」ラッパーのカニエ・ウェストと銀座に出没、「街中ではやめてくれ」の指摘も
NEWSポストセブン
田村家のお正月の風景。左・田村正和さん、右・田村亮さん
《『古畑任三郎』では今までにない自分を》俳優・田村正和さんの知られざる晩年「もうやりきった…」77才で他界した2人の兄を語る弟・田村亮
NEWSポストセブン
9月末に給料が未払いとなり、職員が一斉退職するという事態になった足立区の住宅型有料老人ホーム。千葉県内などにもある関連施設でも同じような”未払い”が発生しているという
《見捨てられた老人ホーム》東京・足立区で「人手が回らず餓死者が…」「お風呂も入れられない」給与未払いに社長は雲隠れ…元職員が明かした“現場丸投げ運営”の実態
NEWSポストセブン