ライフ

抜歯後の治療 費用の安さや治療期間の短さで選んではダメ

抜歯後のベストな治療は?

 50代で平均2本以上、60代で4本以上、70代で8本以上。日本人はそれだけ歯を失っている。虫歯や歯周病が進んで、歯を抜かなくてはならない──そう宣告された時、患者には複数の「選択肢」があるが、選んだ先の“長い道程”を詳しく説明する歯医者は少ない。それぞれの治療に必要な「費用」「期間」「その後のメンテナンス」などは大きく異なる。メリットとデメリットを正しく理解するために──『やってはいけない歯科治療』著者の岩澤倫彦氏がレポートする。

 * * *
 抜歯後の治療を選ぶ上では、費用や期間などの全体像を先に知っておいたほうがいい。たとえば、保険診療なら最も安い「部分入れ歯」にしても、長期的に考えると、高くつく場合もある。

 とりわけ費用も高額で、治療期間も長くなるのが「インプラント」。治療期間は半年以上に及び、手術後も定期的なメンテナンスが生涯続くのだ。

 治療全体の流れを理解しておかないと、後になって“まだ治療費がかかるのか”と後悔することになりかねない。

 最近の歯科業界は、治療別に高度化と専門性が高まっている。だから、かかりつけの歯科医が、すべて治療法に網羅的に詳しいとは限らない。患者があらかじめ、費用も期間も理解した上で治療法を選べば、“こんなはずではなかった”と、歯科医との信頼関係がなくなることも避けられる。

 注意してほしいのは、「費用が安い」「治療期間が短い」といった目先の理由で抜歯後の治療を選ばないことだ。

 たとえば、設計が悪いブリッジを装着すると、咬みあわせの力が両隣の歯に過重な負担をかける。その結果、さらに両隣の2本の歯を失う可能性が高まるのだ。

※週刊ポスト2019年6月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン