◆人目を気にしても褒める人はいない

 そんな中、春子は突然の激痛に襲われ、尿管結石で入院を強いられる。この時、周囲の助けや救急車を呼ぶことすらためらう彼女の頑なさは、果たして性格なのか、時代なのか?

「最近は迷惑をかけちゃいけないという思い込みや刷り込みが年々強くなっている気がします。でもどんな時に救急車を呼んでよく、どこからが迷惑行為なのかも結構曖昧だと思う。

 例えば私は昔、ゴスロリ系の服が着たかったのに人目を気にして諦めたことがあるのですが、『あの時、人の言う通りにしてよかったね』なんて褒めてくれる人なんて誰もいない(笑い)。人の忠告もあくまで恣意的な言葉で、考えすぎて何もできないよりは『迷惑』な方がずっといいと、ゴスロリを着られない年齢になって思うんです(笑い)」

 鷹揚に見えて、時折縁側で遠くを見つめていたりするゆかりや、女手一つで自分を育てた美貌の母親の教えに縛られる沙希。その母親から〈才能あるんやないですか〉〈うちらとは、ちゃうねえ〉と言われたことで、自らの親の反対を押し切って美大まで出ながら事務職に甘んじる自分をふがいなく思う春子や、ギター片手に世界を飛び回る〈五十嵐〉など、誰もが様々な事情や思いを抱えて生きていた。

「私も些細な違いで壁を作る“同い年”文化で育ったので、もし年上の友達がいたらもっといろんな話が聞けたのにな、とよく思う。この表題も歳をとることを肯定する意味でつけていて、いろんな世代の人と関わって、リッパな〈大阪のおばちゃん〉になるのが、今の私の目標なんです(笑い)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン