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世界三大美女の「美容食」 小野小町は生き血をすすった

クレオパトラの美の源は地中海にあった?(写真/アフロ)

 いくつになっても美しくありたいという願いは、女性にとって永遠のテーマ。だが美は1日にしてならず。歴史に名をはせた美女たちに共通しているのは、「食」を通じて美を追求していたことだ。

 その人生をひもとくと、現代では考えられない仰天食材もあれば、今日から実践できる食材を使用しているものもあった。“世界三大美人”と誉れ高い美女たちの「健康食」「美容食」を掘り下げてみよう。

◆クレオパトラ/地中海の恩恵を美容に

 紀元前50年頃、古代エジプト・プトレマイオス朝最後の女王としてクレオパトラが君臨していた時代、エジプトの都にはアフリカ全土やギリシャなどから金や食材などが運び込まれていたという。

 ローマ帝国から愛人のアントニウスがクレオパトラのもとを訪れた際「出されるものが何もかも豪華でおいしい」と感激したそうだが、それは彼女にとって日常の食事だったと作家・歴史エッセイストの堀江宏樹さんは言う。

「そこで『もっと豪華なものがあるわよ』と胸元を飾っていた真珠のネックレスを外し、酢の入ったグラスに入れ、溶けた真珠の美容液でのどをうるおしたという逸話があります。

 しかし、科学的に真珠が酢に溶けることはありません。一方で、繁栄していたエジプトの都では、美容食としてぶどう酒やはちみつを口にしていたことは考えられます。紀元前5世紀には地中海料理の原型のような料理があったので、オリーブオイルなど質のいい油が彼女のプロポーションを保つのに役立ったのかもしれません」

◆楊貴妃/ライチは二日酔いにもってこい

ライチを好んで食べたという楊貴妃(イラスト/アフロ)

 8世紀、唐の皇帝・玄宗の側室として楊貴妃が迎えられたのは、玄宗61才、楊貴妃27才の時。玄宗の寵愛を受けるため、美貌を保ちスタミナをつける食材を求めていたといわれている。なかでもお気に入りだったのが、ライチだ。白澤抗加齢医学研究所の所長で医学博士の白澤卓二さんがその効能を解説する。

「ライチにはポリフェノールやビタミンC、葉酸、銅と美容に効果的な成分が含まれています。ポリフェノールはメラニンの生産を促すチロシナーゼを抑制する働きがあり、シミ予防や美白効果が期待できます」

 また、楊貴妃は酒好きで、二日酔いに苦しんでいたともいう。

「ライチにはカリウムも豊富に含まれており、飲酒で失われたカリウムを補給する意味でも、ライチはぴったりの食材です」(白澤さん)

 彼女は亡くなった後も“美の象徴”として崇め続けられていた。

「楊貴妃の美しさにあやかりたいと願う女性たちが彼女の墓石を削り取り、美の漢方薬としてのんでいたとも。墓石は削られすぎてしまい、とうとうそのお墓はなくなってしまいました」(堀江さん)

◆小野小町/滋養たっぷりの生き血をすする

小野小町は鯉の生き血を飲んでいたとされる(イラスト/アフロ)

 三大美女のトリは平安時代の女流歌人・小野小町。当時から薬用魚として重宝されてきた鯉の生き血を飲んでいたとされる。

「当時の医学書『医心方』にも気血を増強する食べ物として鯉が紹介されており、滋養強壮にいい。いわば精力剤で、当時は鯉の身だけでなく、生き血を飲む習慣があったそうです」(堀江さん)

 現代では、寄生虫による食中毒が危険なため、生き血を飲むのはおすすめできないと白澤さんは言う。

「ただし、鯉は魚のなかでも栄養価が高いといわれ、たんぱく質やコラーゲン、ビタミンが豊富。肌のうるおいや疲労回復など、多様な効用が期待できます」

 ちなみに、美智子上皇后はかつてご懐妊のお祝いに、香淳皇后(当時)から鯉が贈られている。

※女性セブン2019年7月11日号

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