スポーツ

全国で会員約5万人、「一口馬主(クラブ馬主)」の楽しさ

馬主になると楽しさもまた広がる

 今年の安田記念までの平地GI・12レースでは、勝ち馬の半数が、いわゆる“一口馬主(クラブ馬主)”の馬。馬代金や毎月の預託料を共同で負担、口数に応じて賞金を受け取るという日本独自のシステムで、いまでは5万人ほどの会員がいるという。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、一口馬主として競馬に加わる楽しさについて考察する。

 * * *
 たとえば今年の桜花賞を勝ったグランアレグリアは、1歳時にサンデーサラブレッドクラブから総額7000万円、1口あたり175万円で計40口募集された。会員は馬代金のほか、月々1万~3万円程度の預託料(維持会費)や保険料や会費などを支払うかわりに、獲得した賞金から調教師や騎手への進上金、税金や事務経費などを差し引いた額の40分の1を受け取ることができるのだ。賞金1億円(別に付加賞金などがある)を獲得した場合、1口あたり手取りでおよそ140万円が支払われる。

 1人で1頭を持つのは、馬主資格取得を含めてハードルが高いが、大勢で持つならば可能というわけだ。口数にしてもクラブによって40口から最高1万口まで多彩。システムの詳細や収支の概略については、各クラブのHPを参照されたい。

 募集する側にしても、出資者が多ければ多いほど、高額でいい馬を揃えられるし、頭数や勝利数が増えれば育成場などへの設備投資もできる。厩舎サイドとしても、預託料などのやりとりがビジネスライクにできるし、多くのファンに支えられている事実は励みになる。なかには「馬主の顔が見えない」と敬遠する調教師もいるが、もはや日本では、クラブシステムなしに競馬を施行していくのは不可能だ。

 平成元年のオーナーランキングのベスト10でクラブ馬主は社台RH(社台サラブレッドクラブ)だけだった。3年になると「マイネル」でおなじみのサラブレッドクラブ・ラフィアンがランクイン、新馬戦で強さを見せて勝ち星を増やしていくようになる。その後も日高の牧場を中心にしたユニオンオーナーズクラブ、外国産馬を積極的に導入した大樹レーシングクラブなどが続々台頭、近年ではノーザンファームの馬を中心にしたサンデーR、キャロットクラブ、シルクホースクラブなどが上位に君臨、昨年はベスト10に7つのクラブがランクインしている。今年の安田記念では7頭のクラブ所属馬が出走、1着から3着までを独占した。

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト