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海ゴミは1.5億t、さらに深刻なマイクロ・プラスチック問題

江ノ島の海岸で『海さくら』は14年間ボランティアで海のゴミ拾いをしている(撮影/浅野剛)

 ゴミだめ? 目を凝らして見たら、海岸に打ち上げられた“海ゴミ”だった。そんなニュース映像を見たことはないだろうか。

 昨年秋、 ジュネーブに本部を置くスイスの非営利財団『世界経済フォーラム』が、「2050年にはプラスチック生産量がさらに約4倍となり、海洋プラスチックゴミの量は海にいる魚を上回る」という予測を発表。世界に衝撃が走った。

 現在世界の海に漂うゴミは、総計約1億5000万tに達しているという。海ゴミの約8割は、街から出ていて、その大部分を占めるプラスチックは、年間800万t以上流出しているという試算もある。

 こうしている間も、刻々と海にゴミが流れついていて、「フィリピンに打ち上げられたクジラの死体から、重さ計40kgのプラスチック袋が見つかった」などの悲しい報道が後を絶たない。

 日本でも漂着した海ガメを保護したところ、排泄物の中からビニールが出てきたり、プラスチックのひもや網、釣り糸などにからまった海洋生物が各地で発見されている。

 問題はそれで終わらない。さらに深刻なのが、波や太陽光で5mm以下に砕かれたマイクロ・プラスチックの存在だ。これを体内に取り込んだ魚を人間が食べる。その影響がどんな結果を招くのか…。

 しかし政府もこうした事態を、ただ手をこまねいて見ているわけではない。

 環境省と日本財団が企画して“ごみゼロの日”である5月30日から“世界海洋デー”の6月8日前後までを“海ごみゼロウィーク”と定め、約1300か所で43万人以上が清掃活動を行う、全国一斉清掃キャンペーンを実施したのだ。

 プラゴミを減らすため、すでに多くのスーパーではレジ袋有料化が進められているが、コンビニエンスストアでも検討されている。

◆文/オバ記者(野原広子)

※女性セブン2019年7月11日号

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