国内

薄毛の悩みからデート商法にハマり家庭崩壊した男性の本音

思い返すと担当女性のやり方はデート商法だった

思い返すと担当女性のやり方はデート商法だった

 人の劣等感を解決、解消できる商品やサービスを提供するコンプレックスビジネス。身近な人にも告白しづらい悩みを解消できるなら、と問題がありそうな商品や情報に飛びつき、被害に遭う人が後を絶たない。古代エジプトにも治療の記録が残る薄毛の問題は、人類の歴史とともにあるともいえる。ライターの宮添優氏が、頭髪問題をきっかけに、一度は築いた幸せな家庭を失ってしまった男性の告白をレポートする。

 * * *
 盆や正月だろうが、クリスマスだろうが、見ない日はない美容整形のテレビCM。電車に乗っても街を歩いても「脱毛しよう」「痩せよう」といった広告に埋め尽くされ、一体どれだけの「市場」があるのか、どれだけ儲かる「仕事」なのかと考えてしまう。

「美容整形や痩せ薬、育毛や脱毛といった「コンプレックス商材」といわれる商品は、売れた際の利益率が高く、ガンガン広告を打ってもそれだけの見返りが期待できる」と広告代理店勤務X氏は語る。様々な媒体にコンプレックス商材の広告を多数出稿しているが、「効果には個人差があるので」と断りを入れ、「どのように利用して満足するかは、あくまでご本人の決断ですから」とも話す。

 その本人の決断が、家庭崩壊へ繋がってしまった例がある。

「結局全部で600万円もいかれました。最後は家族にもバレて、妻子には逃げられました。どうすればよかったのか」

 神奈川県在住の会社員・中沢政幸さん(50代・仮名)は、十代の終わり頃から「生え際の後退」を意識し始めた。生家にある仏壇に飾られた代々親族の写真には、まばゆいばかりの光を頭から放つ祖父、曽祖父の姿…。ハゲは覚悟していたが、手遅れにならないうちにと様々なヘアケア、育毛方法を実践してきた。ハゲ上がらないうちに、と二十代前半で妻にプロポーズし、結婚した。

「それこそ、毎日わかめご飯を食べ、毎月育毛剤だけで数万円の出費でした。しかし、努力もむなしく二十代後半ですっかり薄くなってしまった。営業職だったので印象も良くないだろうと思い、転職を機についに“かぶって”しまったんです」

 カツラメーカーに電話をし、その日のうちに店舗を訪れたと言う中沢さん。美人の「カウンセラー」に言われるがまま、一つ30万円もするカツラを三つ購入した。計90万円の出費は痛すぎるが、こういう事態を想定しておいた「へそくり」であり、妻には内緒で仕事中は「かぶり」続けた。

「カウンセラーからは“見違えた”とか“モテて離婚しないでくださいね”と持ち上げられて…。実際かなりイケているのではないかと自分でも感じて、日々の生活が充実したような気になりました。三つ買うのは、ローテーションで使うからだし、仕方ないなと…」

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
羽生結弦が主催するアイスショーで、関係者たちの間では重苦しい雰囲気が…(写真/AFLO)
《羽生結弦の被災地公演でパワハラ告発騒動》アイスショー実現に一役買った“恩人”のハラスメント事案を関係者が告白「スタッフへの強い当たりが目に余る」
女性セブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
『ここがヘンだよ日本人』などのバラエティ番組で活躍していたゾマホンさん(共同通信)
《10人の子の父親だったゾマホン》18歳年下のベナン人と結婚して13年…明かした家族と離れ離れの生活 「身体はベナン人だけど、心はすっかり日本人ね」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン