ビジネス

人気薄のマーチをNISMOで補強した日産「作る力」の今

 あまりにボディシェルが頑丈なので、どれほどすごい補強をしたのかエンジニアに聞いてみた。ところが、補強のポイントはそのイメージとは裏腹にほんの数か所。文字通り最小限の補強だが、たったこれだけの補強材追加でこんなにボディ強度を上げられるというノウハウに舌を巻く思いだった。

 サスペンションはハッキリ言って固い。前述のタイヤ、RE-11が今どきのトータルバランス重視のスポーツタイヤと異なり、ガチガチに固いサイドウォールを持っていることも手伝って、路面の大きな段差やうねりを通過すると、突き上げや揺すられが強く発生する。

 だが、その固さの中にも、実は動的質感の高さがちゃんと内包されていて、いったん突き上げや揺れが発生しても、それが長々と残らず、それらの外乱要因を乗り越えた直後にはピタッと止まるのだ。上等なスポーツカーのような足である。

 エンジンは1.5リットルで、最高出力は116馬力。数値的には非力だが、減速比の低い5速MTとの組み合わせによって、なかなかのパンチ力を示した。変速段数は5速だが、トップギアでもGPS計測による実スピード100km/h時に3200rpmも回る。いわば6速のない6段変速のようなものだ。

馬力よりもパワフルな走りが体感できる

馬力よりもパワフルな走りが体感できる

 このマーチNISMO Sを700km近くドライブしてみたが、山道から高速、普通の道に至るまで、どこを走っても愉悦を味わえるクルマであった。まさに往年の日産が持っていたテイストそのものである。

 もちろん日産のような年産500万台クラスの大型メーカーは、そんな趣味的なクルマばかりを作るわけにはいかない。だが、マーチNISMO Sのような精緻なテイストづくりのノウハウはスポーティモデルだけでなく、柔らかなクルマを上質に仕上げるのにも通じるものだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン