今回も”当たり役”となった深田恭子(写真/時事通信社)
思えば、深田恭子はドロンジョ以前にも、男ばかりの捜査会議で「ちょっといいですか?」で手を挙げて、「張り込みのために向かいのビルを買っちゃいました」「二兆円というささやかな寄付をさせていただきました」などと浮世離れした金銭感覚の刑事を演じた『富豪刑事』(2005年)を当たり役にしていた。浮世離れにも年季が入っているのである。泥棒を捕まえる側だったこのころと現在のイメージが、前髪が目に入りそうなところも含めて、少しも変わらないところもすごい。
今年は東京ガスのCMで、黄色に青いイナズマ模様のミニスーツ、頭にも黄色い角を乗せて『うる星やつら』のラムちゃんになり、突如天井からシューっと降りてきて、電気代を損しているダーリンにビリビリと雷を落としている。ついに鬼族にまでなってしまったが、「期待に応えた」のは確か。浮世離れしているのに「手堅い」感じを抱かせるという不思議な女優だ。この夏は『ルパンの娘』と『ラムちゃん』、深田恭子のW浮世離れサマーとして、記憶に残ることは間違いない。