大徹に押し出される板井(1986年 写真/時事通信フォト)
「付け人には(中略)場所前から全敗を宣言していた。全勝も難しいが全敗はもっと難しい。(中略)相場より安く星を売る一方で、ガチンコ力士の付け人に“引退するので負けると言っているので、ケガだけはさせないでほしい”と走らせた。中には“あとで莫大なカネを請求されるんじゃないか”と疑ったガチンコ力士もいた」
こうした“特殊な事情”があったことを踏まえると、大型連敗がしばしば起きる野球は特異なのかもしれない。原因が解明できないから、監督も選手も、そしてファンも深く思い悩む。そこには時に、“常勝”よりも面白い人間ドラマがある。
※週刊ポスト2019年8月2日号